工具の正確なクランプは加工品質を確保する上で欠かせない条件です。
そのため工具のクランプを確認するために主軸へクランプ、リリース、空クランプのそれぞれの状態を検知するための誘導型近接センサを搭載されています。
しかし、ここに様々な課題があります。
● 設置スペースの限界でセンサを隣接して並べられない
● 立上げ時の近接センサの位置調整に時間がかかる
● 使用する工具によっては、近接センサの位置を調整する必要がある
特に、近接センサの位置調整は装置内部での作業でもあるため、事故の恐れや余計なダウンタイムとなりえます。
ここにバルーフは、ユニークな技術を用いたセンサを開発し、この課題を解決しています。
このソリューションは、現在でも多くの日本の工作機械メーカーで採用されています。
特殊なアナログセンサを用いた工具クランプ監視
誘導型近接センサを用いた工具クランプ
誘導型近接センサを用いた工具のクランプ検知は、現在でも多くの工作機械で使用されています。
しかし、このソリューションでは、
● 「点」で見るため継続監視には不向き
● スペースが限られているため設計が困難
● 立上げ時に位置決めが必要
● 工具によっては段取り替えで位置調整が必要
などの課題があります。
これらの課題を解決するのが、バルーフが独自に開発した誘導型クランプ位置センサ BIPです。
誘導型クランプ位置センサ BIPを用いた工具クランプ
バルーフの誘導型クランプ位置センサ BIPは、工作機械の主軸へ直接搭載され、内部のドローバーと連動して動く金属の突起の位置を監視します。
このセンサのメリットは、
● クランプ位置を継続的に直接監視できる
● 特殊なポインタ不要
● 小型の形状で主軸へ直接搭載できる
● 位置決め不要、調整はすべてリモート
BIPの動作原理
BIPは特別な技術を用いたものではありません。
実は内部に8個のコイル、つまり8個の近接センサが並んでいるのと同じ構造をしています。
そのため、特殊なポインタを必要とせず、金属の位置を直接測定できます。
しかし通常、近接センサを隣接して並べると互いの誘導電界により誤検知してしまいます。
そこでこのBIPでは、互いのコイルで誤検知しないよう、高速でスキャンしています。
これにより、金属による電界の減衰を正確に測定し、それを位置情報として出力します。
このセンサを活用すれば、物理的なセンサの位置決めがすべてタッチパネルからのティーチングに置き変わります。
これにより、装置の内部へ物理的にアクセスする必要がなくるため、事故の要因が減り、立上げや段取り替えの時間を大幅に短縮することができます。
BIPのラインナップ
BIPは様々な形状と出力信号、14 mm ~ 133 mmの測定範囲のタイプを取り揃えています。
特にIO-Linkタイプは、位置情報のほか3点のスイッチング信号も出力します。
位置監視やリモートでの測定範囲設定を行いながら、クランプ/リリース/空クランプの入力信号を受けたいのであれば、こちらのタイプがおすすめです。
BIPの選定や技術的なご質問がございましたら、ウェブサイト右下にあるチャットからお気軽にご相談ください。