製造現場のコンクリートから役員室のカーペットまで、RFIDシステムがもたらす実用的なデータ、複雑なビジネス上の判断を行うことができます。
実際のデータに基づく判断は、「ベストな願望」のデータとは、、、、説明は不要でしょう。これら実際のデータを集めて、組織で使えるようにするのがコツです。それがRFIDの役目です。
仕掛品の追跡は、RFIDが生産効率を向上させるアプリケーションの一つです。柔軟な製造、作業プロセスの追跡、規制遵守を維持するのに役立ちます。簡単に言えば、RFID技術はデータを収集しますが、そのデータを使用するのは人間です。
記録・収集されているデータとは?
- 製造データ:何を生産しているのか?(柔軟な生産)
- プロセスデータ:より良い生産方法とは?(エラー防止やポカヨケ)
- 系列データ:部品はどこから来たのか?(半製品や部品の出所の追跡)
これらのデータは、ユーザーにとってどのようなメリットがあるのでしょうか?
製造データ:例として自動車のシートを製造している会社を考えてみましょう。最近のシートの種類は驚くほど多種多様となっており、ヒーター機能、電動シート、重量センサ、特殊フォーム、特殊カバーなど様々なオプションがあります。問題は人の目にはどれも同じに見えるという事です。RFIDシステムは、最初のプロセスで製品に関する全てのデータを書き込み、各工程ごとにデータの確認や製品の識別をすることができます。昔は、各工程の作業者は、作業内容や製品を把握するために、何枚もの紙の束を読まなければなりませんでした。今では、RFIDシステムの自動データ転送により、必要な作業内容や製品情報などが作業者に通知されます。
プロセスデータ:同じシートメーカーで、製品が完成するまでに20の工程があるとします。ここで、3つ目の工程にヒーターの取り付けミスがあったとします。シートは残りの17の工程を経て、他の様々な部品が取付けられます。そして出荷前に最終検査を受け、ヒーターの問題が発見されます。不良品のシートは廃棄されるか、もう一度ラインに戻される必要があります。昔はそうでした。現在では、各工程間に品質検査が入り、不良品が見つかり次第即座に修正・廃棄をすることで時間のロスと不要な手間を減らすことができるようになりました。シートが3つ目から4つ目の工程に移動する時に品質検査が行われ、OK、NGのどちらかがタグに書き込まれます。4つ目の工程でタグからのNGを認識すれば、作業者へすぐに通知され製造不良をすぐに修正することができます。また、生産工程全体を通してタグに情報が読み書きされ、最後に情報がデータベースにアップロードされます。その後タグは初期化され、別の製品に取り付けられます。
シートメーカーが短納期の特別注文を受けたとしましょう。その特別注文のため、段取り替えが必要になり、製造途中のシートはラインから撤去されます。特別注文品が完成後、撤去したシートを再びそれぞれの工程に戻す必要があります。RFIDシステムは、タグを読み取るだけで正しい工程番号がわかるので、戻す作業の効率を上げることができます。
系列データ:オプション品を含めシートは様々なメーカーから供給される部品で構成されています。RFIDは、リコールやロット不良が発生した際に、部品の供給元を特定するために使われます。現在では、製品全体を回収して廃棄する代わりに、欠陥のある部品を特定し、それを交換した後にサプライヤーへ品質保証の責任を負わせることができるようになりました。
コンクリートからカーペットに至るまで、あらゆる製品でRFIDは品質を向上させ、予期せぬダウンタイムを減らし、生産効率を向上させるのに役立ちます。製品に情報を持たせ、人が実際の情報に基づいた決定を下せるようにするという点でRFIDはIIoT化を進めることに役立っています。
RFIDシステムの詳細は www.balluff.com をご覧ください。