制御盤は産業用の設備で一般的なもので、オートメーション制御の主要な部品でありデバイスです。これは、現場レベルで最も強力な「頭脳」とされ、生産を正常かつ効率的に運用するためには欠かせないものです。
この「頭脳」である設備を正常に運用させるために、制御盤内部の環境を適切に監視・管理し、適切な診断とメンテナンス管理を行うことが、産業用アプリケーションではますます重要になってきました。
一般的に、環境が比較的安定している場合でのみ、制御盤内にある多数の電気・電子部品は長寿命で確実に動作することができます。しかし、制御盤内に多数の部品が使用されスペースが圧迫されると、制御盤は温度の課題に直面します。また一方で、屋外にある制御盤は、その過酷な環境によって温度と湿度の課題に直面します。
課題に応じた状態監視
制御盤の設計や製造では、機器の配置構造や制御盤自身がさらにコンパクトになったことで排熱がさらに激しくなり、機器や制御盤内の温度管理が徐々に顕著になってきました。
オーバーヒートは電気・電子部品の損傷だけでなく、温度変化のストレスによる亀裂が原因となります。この亀裂は、電気・電子部品の内部で使用されている異なる材料が接触している部分で発症しやすいです。
また、周囲温度が低すぎたり、急激な冷却により制御盤内の機器が損傷するおそれがあります。特にこれは屋外の制御盤に当てはまります。低温や冷却はオーバーヒートより大きな影響を与える場合があるので、凝縮液による損傷には十分気をつける必要があります。
温度に加え、制御盤の湿度にも注意しなければなりません。現場環境の制御盤内の湿度は、電気・電子部品の正常な動作に重要な影響を与えます。周囲の空気中の水分量が多かったり、温度が下がって結露したりすると、制御盤内にある電気機器に障害が発生する可能性があります。
バルーフのマルチファンクション状態監視センサ BCMは、温度や湿度など、制御盤の動作環境や状態をリアルタイムで監視することができます。
マルチファンクション状態監視センサ BCMは、温度(測定範囲:0 ~ 70℃)や相対湿度(測定範囲:5~95%RH)などの環境パラメータを同時に測定できます。しかも、取得した計測値を解析・処理し、必要な情報のみをIO-Linkインタフェースを介してメインシステムへ伝送することができます。
BCMはそのコンパクトなサイズで、他のセンサやホストシステムと共に簡単に統合できます。また、保護構造IP67以上のオールステンレス筐体を採用しています。そのため、あらゆる現場環境の制御盤アプリケーションへ完璧に対応します。
上述の特徴により、BCMが提供する制御盤の環境監視データは予期しない停止や損失を回避できます。一度、制御盤の環境パラメータが異常を示すと、瞬時にプリアラームを発し、原因を解析できます。これにより、不測の自己を防止することができ、制御を確実に行うことができます。このようにして、制御盤内の電気・電子部品や機器は、常に確実で安定した動作を行うことができます。
また同時に、監視データは工場にとってインテリジェントで柔軟な製造を行うための重要な要素であり、IIoT (Industrial Internet of Things: 産業のモノのインターネット) 実現のキーファクターでもあります。
バルーフのBCMシリーズを通して、制御盤などの重要な工場資産の状態監視とメンテナンス管理の要件を、より迅速かつ効果的に達成することができます。