汎用装置で使用されている様々な種類のポンプは流体を伝送したり、流体のエネルギーを上昇させるため圧力を加えたりする用途で幅広く使用されています。特に化学産業や石油プラント、食品・飲料産業、鉱山、水道や排水事業、その他の産業で用いられ、タイ高温や耐高圧、耐腐食性と特徴とします。
現在、製造機器の自動化やインテリジェント化が継続的に進み、製造の効率性が向上し、ポンプのような重要な機器の動作の信頼性がさらに高まっています。各種業界調査の中から、1日の生産量が200,000バレルを超える製油所を例に取ると、予期しない停止が発生すると生産量が予定より0.2%下がり、年間のメンテナンス予算の7%がポンプのメンテナンスに割当たっているとされています。
実際、ポンプの健康状態を左右する要因はたくさんあります。キャビテーションによる不安定な流れやシールの障害、高温な流体の滞留によるポンプ筐体へのダメージ、振動によるO-リングや内部の損傷、不適切な設置によるシャフトの位置ずれ、過度の振動よるポンプの振動などが考えられます。
簡単に扱える状態監視
従来行われていたポンプの監視・診断方法は、故障が起きた後の修理や機器診断の技術者が定期的に点検を行い、経験に基づいて機器の故障原因や故障箇所を特定する方法に頼っていました。しかし、あまりにも現場にあるポンプの数が多すぎるため、エンジニアの人数が機器の解析や診断の要求に対して遠く及びません。これでは機器の問題を発見するのに時間がかかり、潜在的な安全上の問題が生じるおそれがあります。
バルーフの新しいマルチファンクション状態監視センサ BCMは、振動や温度などの様々なポンプの状態を示す値を同時に計測することができ、このデータで、振動レベルを評価する二乗平均平方根 (RMS) や、ピーク値を特徴づけるためのピーク係数の計算、様々な歪度や尖度の検出などのエッジ処理ができます。 また、センサの各方向軸に対して任意の時間枠内で加速度の最大値と最小値などを検出することもできます。最終的に必要なデータをIO-Linkインタフェース経由でメインシステムに転送でき、予兆保存の解析や処理に活用することができます。
標準規格の通信プロトコルであるIO-Linkにより、アプリケーションに応じてセンサのパラメータや設定を簡単に変更することができます。プロセスデータの構造も測定値とエッジ解析値を組み合わせた5つのプロファイルから自由に設定でき、周期的に伝送します。また、統計処理した値も非周期通信で取得することができます。
さらに、プリアラームとメインアラームを設定することにより、測定値やエッジ処理値を自動的に監視することができ、障害のイベントが発生すると警告のメッセージを発し、リマインダを与えることができます。
バルーフのマルチファンクション状態監視センサをベースに、機器のエンジニアは時間領域内の特徴を取る解析やスペクトル解析などを通して、振動や温度などの断続的/継続的な監視のパラメータをオンラインで設定できます。もし、測定値が許容値を超えた場合、アラームを発し、必要であればメンテナンスのために装置を停止させることができます。
また一方では、ポンプの稼働状態をより正確に把握できるため、メンテナンス作業を著しく減らすことができます。また、瞬時にポンプの異常状態を発見できるため、安全性を脅かす隠れた危険を排除することができます。
BCMはポンプのメンテナンス管理や運用、メンテナンス計画の立案に関する詳細な情報を提供します。そのため、メンテナンスのためにポンプを修理工場へ周期的に送る回数が減り、メンテナンスコストを削減し、メンテナンスによる通常生産への影響を低減できます。そして、最終的にインテリジェントな診断と状態ベースの予兆保全を実現できます。
バルーフのセンサシステム BCMによって、工場の重要な資産であるポンプの状態監視と予兆保全の要求を、迅速かついっそう優れたものとして達成することができます。
