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IO-Link対応非接触赤外線温度センサ - Industry4.0の支え手

Posted by Balluff on Jul 23, 2020 5:55:17 PM

このブログでは非接触の赤外線温度センサについてご紹介します。これを読むことにより、極めて高温な物体の検出を必要とする近代的な生産プロセスの利点を理解できます。この種のセンサの一般的なアプリケーションは製鉄やガラス製造が主となります。液体や融解した金属が至るところにあり、処理されています。

ブログはドイツ語版も用意されています。

detection of hot metal with infrared temperature sensor
製鉄所の高温ビレットを検出する赤外線高温金属検知センサ
製鉄所の自動化

近代的な製造では高度な自動化が求められます。完全自動化の工場やプロセスの大きな利点の1つに、高額なダウンタイムを引き起しかねない障害の削減があります。大きな製鉄所では、何百もの赤色で高温の鋼スラブが周辺を移動しています。これらはワイヤーやコイル、鉄棒などの様々な製品へ加工、粉砕、製造されます。これらの物体を追跡し続けることが、スムーズで費用対効果に優れた製造の確保にとって最も重要なこととなります。製造ラインへの妨害や損傷は予期しないダウンタイムを引き起し、対策を講じてプロセスを再開するまでに多くの時間を費やします。

 

この製造プロセスの課題に対応するため、近代的な製鉄所では自動的なマテリアルフローの制御と監視が必要となります。これは、特に工場内を通るワークの経路に搭載され、部品を検出するためのセンサは工場内でアクセスが制限される場所や危険な領域にも設置されます。非接触の赤外線温度センサはこのような製造プロセスで、高温素材の流れや有無を確実に検出します。

 

Steel Billets - Photo: M.Muenzl
製鉄所のビレット - 撮影: M.Muenzl
高温金属の検出

誘導型近接センサや光電センサのような標準的なセンサでは、共に熱による損傷に侵されるため、近接で極高温の物体を検出する用途には使用できません。あるいは、物体から放射される膨大な赤外線により大きな負荷が掛かるおそれがあります。このような標準的なセンサと比べ、赤外線のみを用いて高温物体を検出し、その温度に対する解決の糸口を与えるセンシングの動作原理が存在します。

非接触の赤外線温度計はこの要求に応え、このようなアプリケーションの使用に最適です。このセンサは高温物体から遠く離れた場所に設置できるため、熱による破損がありません。センサは事実上、無限に放射される高温物体からの赤外線を捉えます。そして、捉えた赤外線の波長と強度を評価し、物体の温度をほぼ正確に読み取ることができます。しかし、センサを正確に動作させるための設定やティーチングを行うための特定のパラメータが存在します。多くの場合、赤外線温度計は危険でアクセスができない場所に設置されます。そのため、パラメータ設定や調整を直接センサ上で行うことは非常に難しく、ほぼ不可能と言えます。そのため、センサが提供するデータの読み出しや監視、そして何より重要なセンサのパラメータやその他のデータのダウンロードには、インテリジェントなインタフェースが要求されます。

 

製品フライヤーはこちらから    

 

赤外線温度センサの技術的基礎 ー 高温金属検知センサ

従来の光電センサは光を発し、その反射を受け取ります。赤外線センサの場合は一切、光を発しません。赤外線センサの物理的な基礎は、物体から放射された赤外線を検出することです。絶対零度 (-273.15°C または -459.67 °F) 以上の温度を持つ物体の表面から、本質的に温度に比例した電磁放射が発生します。この放射を温度や熱放射と呼びます。

もし、フォトダイオードや熱電対列など他の技術を使用した場合、この放射を長距離で検出 / 測定することは困難です。

 

バルーフの赤外線温度センサのデモ動画はこちらから:

 

 

赤外線温度計の主な利点

非接触で光学ベースの測定方式により接触式温度計にくらべて様々な利点があります:

  • リアクション不要の測定: 物体の影響を受けずに測定でき、非常に小さな物体も測定可能
  • 高速な測定周期
  • 危険領域の外からでも測定できる長距離測定
  • 高温を確実に検出 / 計測
  • 高温パーツの検出: 赤外線放射によって従来の光電センサでは制限されていた高温物体を検出可能
  • 移動中の物体検出可能
  • 測定ポイントの劣化なし
  • 電子部品に影響のない安全領域からの測定可能

 

IO-Linkによるスマートセンサ

ユニバーサルでインテリジェントなセンサインタフェースであるIO-Link は、過去10年に渡り、ほぼすべてのセンサテクノロジで確立されています。IO-Linkは複雑さをなくした、一様に標準化されたセンサとアクチュエータのインタフェースです。IO-Linkはデバイスと制御システム/HMIとの間で一貫した通信を行います。IO-Linkはコントローラや作業者が操作するHMIからダイナミックにセンサのパラメータを変更することができます。そのため、型変更や段取り替えによるダウンタイムを削減することができます。デバイスの交換する際、新しいデバイスを設置・接続すると即座にパラメータが自動的に設定されます。マニュアル作業を削減し、ヒューマンエラーをなくすことができます。デバイス専用のソフトウェアが不要になり、標準的な3線の非シールドケーブルで簡単に接続できます。

 

よって、IO-Linkは自動化した製造プロセス内で使用される非接触赤外線温度センサにとって、完璧なインタフェースであると言えます。

 

IO-Link Architecture - Graphic: Balluff

IO-Linkコミュニティへ

IO-Linkユーザーグループ

その他に、この赤外線温度センサは内部で様々な値やデータを生成します。ユーザーはこれらのデータを制御システムへアップロードでき、状態監視や予兆保全を目的とした情報として活用することができます。製鉄所では製品品質を継続的に高く維持するため、プロセス中のデータが必要となります。センサが提供するバイナリ信号以上の情報は、信頼性に関する様々な利点を生み出し、Industry 4.0が掲げるスームズな製造を実現します。

 

IO-Linkテクノロジーのさらなる詳細については、次のリンクに示すAutomation-Insights-Blog:Is IO-Link only for Simplifying Sensor Integration? をご覧ください。

 

アプリケーションの領域

赤外線温度センサは250°C ( 482°F)以上の物体検出を行うすべてのアプリケーションで使用できます。

鉄鋼やセラミック、ガラス産業に関わらず、鋳物や炉の周辺のような過酷な環境でも、この産業用非接触赤外線温度センサは活躍します。

赤外線温度センサ BTSはエアブローと冷却用ジャケットと共に、製鉄所の熱間圧延ラインに設置されています。

熱間圧延ラインに設置されたセンサ
エアブローと冷却用ジャケットを装備したセンサ

このセンサのさらなる情報やデータシート、フライヤーはこちらからIO-Linkはバルーフのウェブサイトバルーフのウェブサイトのこちらからご覧ください。

トピック: IO_Link, 鉄鋼, 赤外線, 温度センサ, 高温, 製鉄所