インダストリー 4.0、ビッグデータ、IIoT(Industrial Internet of Things:製造業におけるモノのインターネット)という言葉は、今では誰もが口にするようになりました。これらの言葉は、産業の幅広い分野においてインテリジェントなネットワークが必要であることを示しています。
このWhite Paperの目的
このWhite Paperでは射出成型機によるプラスチック製品の製造を例に取り、インダストリー 4.0のコンセプトをいかに簡単かつ迅速に製造ラインへ取り入れるか、よりプロセスの効率性を上げてコストを削減するかを目的に説明します。
しかし、ここで言う「効率」とは、最終的にいくつの部品を製造したかを知るためのデータ収集のことではありません。予定した原料を最後まで使い果たし、現存のリソースを最適に活用したかを日々、確認することを意味します。
さらに、シンプルな棚卸しと効率的かつ迅速に見つけられる金型の保管も可能にしなければなりません。
一般的には、プラスチック部品の製造で用いられる金型やツールは非常に複雑で高価です。これらは、摩耗や汚れにより劣化するため、定期的な点検や清掃、メンテナンスが要求されます。そのために、金型に関するデータを専用のシートや書類へ手書きで記入することが行われてきました。しかし残念ながら、このようなケアは時間がないことと、伴う労力とコストの兼ね合いでだんだんと放置されていることが多くなります。さらに、このような手作業はヒューマンエラーとなりやすく、設備のトラブルや金型の破損に繋がりかねません。
システム構成
最初の目標は、この手作業によるドキュメント化の作業を減らし自動化することです。これは、RFIDタグによって解決できます。
金型の「メモリ」となるこのRFIDタグ内のデータは、NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)を搭載した市販のAndroid対応スマートフォンで読取ることができます。これにより、すべての金型が「Smart Mold」になります。
工場内の射出成型用金型の管理を自動化することにより、予防保全を簡単に実現でき、コストのかかる予期しないダウンタイムを削減し、利用可能なリソースを活用する計画を、より正確に立案できます。しかし、このようなソリューションはMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)のソフトウェアか、特定メーカーのネットワーク化された比較的新しい装置でしか使用できません。
次の紹介するソリューションは、装置の制御システムを変更することなくレトロフィットできる、汎用的でオープンな提案です。
これはクローズなソリューションではなく、将来を見据えた拡張可能なモジュラーコンセプトを採用しており、包括的なリーン生産のソリューションとなります。
このアプリケーションのアニメーションをご覧ください:
さらに、射出成型機の自動金型交換の動画を2つご覧いただけます:
EAS金型交換システム –迅速な金型交換
Stäubli QMC ではバルーフのRFIDシステム BIS Mを活用