柔軟で効率的な製造や工場の見える化の要求により、スマート製造が日々の働き方へ変革をもたらします。分析や診断は、予兆保全や機器の稼働率向上、装置や内部部品の状態監視を行うために不可欠なものとなります。通常、最初にこれらを実行するためのデバイスはイーサネット上に統合されるでしょう。しかし、イーサネットの統合には今までの製造業の知識では補えない、高いスキルが必要です。IO-Linkのシンプルな制御アーキテクチャにより、多くのメーカーにとって障害となっていたイーサネットのスキルを必要とせず、様々なスマートなデバイスが分析に必要なデータを提供します。
多くの人々はIO-LinkがEthernet/IPやPROFINETのような新しい産業用ネットワークであると考えていますが、それは誤りです。IO-Linkはこれらのネットワークにさらなる可能性を補完するものです。
オープンな標準規格
IO-LinkはFA界でUSBのように扱えるものとして設計されたオープンな標準規格です。USBがPCと外部機器の接続をシンプルにしたことと同様に、IO-Linkは製造現場のスマートなセンサやインテリジェントなデバイスの接続を簡単にします。IO-Linkはフィールドバスや産業用のネットワークではありません。産業用のネットワークやコントローラの垣根をなくすものです。マスタ - スレーブの構成やポイント・トゥ・ポイントのデバイス接続はUSBに似ています。IO-Linkゲートウェイは産業用ネットワークのスレーブやノードの様に振る舞い、ユーザーが選択したネットワークへさらなる機能を補完します。シリアル通信の設定やネットワークアドレスの設定は不要で、デバイスの設定や統合が簡単になります。
装置メーカーの利点
IO-Linkには装置メーカーとエンドユーザーの両方に対して、それぞれの利点があります。装置メーカーにとって最も大きな利点は、配線設計が楽になることです。ある装置メーカーではセンサやアクチュエータ、コントローラの配線に対する部材のコストや作業費を30%~60%削減した実績があります。これは、デバイスと装置側のIO-Linkゲートウェイを、従来の端子台による配線ではなく、標準的なコネクタ付けケーブルで接続するにより作業効率が向上したことが大きな理由です。これにより、装置出荷効率が上がり、立上げの作業費や試運転を劇的に削減しました。
Value on the Production Floorエンドユーザーの利点
エンドユーザーにとって、IO-Linkデバイスのリモートパラメータ設定と自己診断機能は大きな利点となります。IO-Linkマスタポートはデバイスのパラメータを保存し転送する機能を備えており、これによりIO-Linkデバイスは接続するだけでパラメータの設定が完了します。圧力センサのような高機能で複雑なデバイスの場合、14項目以上の設定をデバイス上の小さなデバイスで設定しなければならないため、大きなストレスとなります。IO-Linkゲートウェイとデバイスの診断機能と合わせて、これらの機能は設定によるヒューマンエラーをなくし、障害の早期発見により生産ラインのダウンタイムを著しく削減することができます。
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