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自動車産業の追跡とトレーサビリティ: IIoT立上げの最初のステップ

Written by Balluff | Jul 23, 2020 9:47:34 AM

競争の激しい今日の自動車産業では、メーカーにとって工場が健全な運用利益を維持するため、運用コストの削減がますます重要になっています。製造業の運用効率改善は、様々な施作の目標となっています。

例えば自動車部品を製造するティア1の場合、複数の組立てを行えるようにデザインされた設備を持つことが一般的です。(Flexible Manufacturing: 柔軟な製造) 複数の組立てに対応するため、設備は様々なツールが交換できるように設計されています。これにより、一種類の製品しか対応でいない設備と比べて、必要とされる工場の床面積とコストを削減することができます。しかし、この柔軟性を持つことで新たなリスクが現れます。例えば、誤ったツールを設備に使用して不良品を増やしてしまったり、誤ったパーツの組立てにより、高価なツールを損傷 / 破壊させてしまったりする事が考えられます。その他にも、高額な輸送費、外部委託のコスト、人件費、仕分けや手直しなどもあるでしょう。

作業者のマニュアル作業によるレシピ変更やツール交換に関する情報の入力はHPE (Human Error of Probability: 人因誤差発生確率)の可能性をもたらします。「一般的な作業方式を取っている企業の典型的なエラー率は100回の作業に対して、10 ~ 30回です。通常の品質管理方式を取っている管理の行き届いた作業環境で可能な限り最高なパフォーマンスを発揮した場合でも、100回の作業に対してエラー率は5 ~ 10回です。」(Sondalini)

段取り替えの頻度を考えると、潜在的なエラーによるコストは簡単に計算できるはずです。この問題を解決する方法の1つとして、スマートツールがあります。これは、RFIDタグをツールに貼り付け、設備へRFIDの設置とコントロールアーキテクチャを統合することで実現できます。ツールを特定するために、固有のIDや「ライセンスプレート」をそれぞれのツールに割当てることで、スケーラブルなソリューションの扉を開けることができます。設備へこれを適切に統合すれば、どのツールがどの稼働中のステーションにあるかを識別でき、正しいツールを用いている場合のみ、設備が稼働するようにできます。さらに、運用時間や生産された部品、メンテナンスした日付などのプロセスデータをタグ自身に保存することで、予知保全の実現へ一歩進むことができます。このデータの収集と監視により、IIoTと予兆保全の能力に向けて動き出せます。ツールの寿命が近づいたり、メンテナンスが必要性が出たりした場合、主担当者へ情報を提供することにより、OEE (Overall Equipment Effectiveness: 総合設備効率)が向上します。

 

RFIDのさらなる詳細はwww.balluff.jpをご覧ください。

*文献: Mike Sondalini, Managing Director, Lifetime Reliability Solutions, Article: Unearth the answers and solve the causes of human error in your company by understanding the hidden truths in human error rate tables.