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ビジネス思考の変化を反映したテクノロジーの動向

Written by Balluff | Aug 10, 2020 1:55:37 AM

産業における技術的なソリューションを提供する企業として、バルーフはポーランドのインダストリー4.0の発展に大きなインパクトを与えています。そのため、ポーランドで最も人気のトレンドアナリストであるNatalia Hatalska氏が運営するInfuture Instituteが発表した2019年のトレンドマップについて、代表であるPaweł Stefański氏をお招きしてコメントをいただきました。

 

編集者: マップでは様々な発展段階の、33のトレンドが紹介されています。その中であなたにとって最も身近なものは何ですか?仕事では何と、個人的には何に関心がありますか?

 

Paweł Stefański: 間違いなくIIoT (Industrial Internet of Things: 産業のモノのインターネット)でしょう。なぜなら、これはトレンドとロボット化した生活をリードするからです。これは互いにロボットとのコミュニケーションに強く現れています。また、マシンビジョンとデジタル化のトレンドも興味深いです。現在と指向性としては、意思決定プロセスのパターンの緩和とサポート、購買などのプロセスの簡素化、可能な限り迅速な購買意欲の引き上げなどもあります。



個人的には、ローカライズの動向、特に伝承技術には関心があります。私自身もブドウ園を経営していますが、最初から最後まで作り出されたものには感謝しています。また、簡単で低コストな自動化システム、つまり、少ない予算で自分で導入できる自動化システムにも関心があります。


編集者: それでは、バルーフの事業内容に関連した技術的トレンドについて伺いましょう。AI (人工知能) を基にしたソリューションはイノベーションからリアクションへと移り変わり、導入され始めています。ポーランドのインダストリー4.0の状況をどのように評価していますか?

 

PS: ポーランドでは、近代的な技術が続々導入されており、2つの分野でそれを見ることができます。 ー AIと予兆保全です。AIはデータに基づいており、バルーフのソリューションはセンサなどによりデータベースを強化します。これらを基に、大規模なデータベースの処理に関連するさらなるシステムは、データを生み出し、機械学習によりさらなる結果を導き出すことができます。現在、私たちはこれらの要素の最適化やサポートを目的としたシステムに取り組んでいます。



予兆保全に関しては、企業は特定のデバイスのパラメータを監視するアルゴリズムを組みこんだデバイスを活用し始めています。これにより、例えば、潜在的な障害や老朽化の進んだ部品交換の必要性を警告することが可能になりました。

 

編集者: さらなる技術的なトレンドは、ロボット化した生活など、AIに関連しています。これはポーランドの産業をすぐに浸透する分野なのでしょうか?

 

PS: 確かにロボット化した生活は、生産ラインだけでなく、製造設計や生産計画に関連した課題の両方で、産業の最適化に影響を与えるでしょう。すでに、これらの分野の責任者が新しい技術に支えられている企業は存在します。設計や計画に関する業務のほとんどはシステムが行い、どの計画を実施するかの最終的な判断のみを人間に委ねます。AIは検討の余地がある領域に理想的です。

 

編集者: ハイパーリアリティとIoTが完全に機能しているとされている技術的なトレンドとされています。あなたの専門的観点から、これらの存在感を感じていますか?

 

PS: 産業界で最も存在感を示しているのはARとVRです。アプリケーション事例としては、装置の稼働監視やオペレータへのメンテナンスに関する作業手順のガイダンス、装置の障害に対するメンテナンスや修理などがあげられます。実際、VRグラスを含むサービスパッケージを提供している会社があります。これは、地球の反対側にいてもサービスの技術者がVRシステムに接続すれば、物理的に故障したデバイスの前にいるオペレータへ支持することができます。将来的には、このような方法がロボットの力を借りて大量に実装される可能性も十分にあります。

 

編集者: インダストリー4.0に加えて、経済的な新しいトレンドが発展しています。これは、グローバリゼーション4.0と呼ばれる成長しているトレンドにも現れているかと思います。あなたの業界の顧客の間では、この傾向が徐々に表れているでしょうか?あなたのソリューションを販売するためのアプローチに変化はありますか?


PS: すでに、産業界へサービス経済を導入する企業は存在し、リースが主な金融的なモデルになっています。ポーランドでは、自社の生産ノウハウだけを持つ事業会社もあります。これらの企業は、すべての装置と労働力をサブスクリプションのモデルで活用しています。私たちも含めて、多くの近代的な企業がこのトレンドに向かっています。

 

編集者: 環境保護や大気汚染の最小化に関連したトレンドが議題となっています。企業もこの流れに乗って、自身の製品やサービスを適応させ、彼らの製造が自然への影響を最小限に抑えられるよう取り組んでいます。バルーフではこのようなトレンドに対し、どのように対応しているのでしょうか?

バルーフは、品質と環境の両方でISOに準拠して活動しています。エネルギーの活用を最適化し、環境に対する負の影響を最小限にするよう努めています。太陽光パネルや生分解性のある材料を使用し、大気中のCO2排出量を削減しています。環境への影響を考慮した計画や活動を実行するための全体のアプローチが私たちの特徴です。このような考え方から、同じ理念を守るビジネスパートナーを探しています。


脚注:
 1. http://hatalska.com/wp-content/uploads/2019/02/mapa-trendow-infuture-2019-online.pdf
Dictionary of terms (compiled by: infuture hatalska foresight institute, February 2019).

AI
人工知能やビッグデータ、ニューラルネットワークを基にしたソリューション。

IoT
モノのインターネット。すべてのモノをインターネットに接続し、互いをインテリジェントな通信で結ぶソリューション。

IIoT
産業のモノのインターネット。

AR (wikipediaより)
拡張現実 (Augmented Reality) とは、人が知覚する現実環境をコンピュータにより拡張する技術、およびコンピュータにより拡張された現実環境そのものを指す言葉。

 

VR (wikipediaより)
バーチャルリアリティ(Virtual reality: 仮想現実) とは、現物・実物(オリジナル)ではないが機能としての本質は同じであるような環境を、ユーザの五感を含む感覚を刺激することにより理工学的に作り出す技術およびその体系。

Machine Vision (wikipediaより)
産業用のビジョンシステムのことで、人の視覚を模した環境の自動視覚解析を機能とする電子デバイスとの協調システム。


ロボット化した生活 (Roboticized life)
日常生活で自動化やロボット活用し、日常的な業務の補助や高齢者の介護、教育、治療などで利用。


伝承技術 (Craftsmanship)
基本的には何もかもが同じものになってしまうこのグローバル時代に、地元の職人の人の手が評価されるようになってきた。


Localismローカリズム
ローカルでありことがより良く、本格的で貴重であることを主張する反グローバリズムのトレンド。


グローバリゼーション4.0
経済学、社会開発、政治の新しいアプローチ-「生産と消費」から「分かち合いと思いやり」へ。


サステナビリティ
持続可能な開発、自然環境への配慮、資源の枯渇、意識的な消費など。