工場の製造現場では、小さいものから大きなものまで、様々なモーターが止まることなく動作しています。工作機械やポンプ、ブロワー、コンプレッサ、クレーン、ホイスト、掘削機械など様々な現場の機器へ動力を与えています。関連する統計によると、先進国では、モーターの電力消費量は総発電量の半分以上を占めています。中国ではモーターの電力消費量は総発電量の65%を占めています。
電力を消費する重要で「身近」なものであり、重要な工場の資産であるため、モーターの故障による停止や停電の損失は非常に大きいです。モーター自身が焼損事故になった場合は、ユーザーにとってメンテナンスや余計な電力消費など様々な経済的損失をもたらします。
そのため、どのように稼働中のモーターの状態監視をリアルタイムに行うか、そしてオンラインの障害解析や早期段階でのインテリジェントな予兆保全を導入するか、このすべてが重要なトピックとなっています。
様々な重要な生産プロセスにとって、常にモーターは継続的な長時間の連続運転が求められます。事故の発生後に行動を起こす事後保全 (Reactive maintenance)から、定期的な交換やアップグレードを行う予防保全 (Preventive maintenance)の採用が増えてきました。その後、予兆保全 (Predictive maintenance)の登場により、生産性が格段に向上しました。また、いっそう優れた資産価値を継続でき、投資を保護します。すなわち、運用のサポートをしながら、高い価値の安全性を確保できるということです。
上の図のように、事後保全や予防保全より予兆保全のほうが適応範囲が広いことが分かります。この傾向は現在のセンサ技術、データ収集や解析技術、クラウドサービスなどの利点が、コストの削減や統合アプリケーションの利便性をもたらすことを示しています。
モータへ専用の状態監視センサを搭載し、さらに状態監視システムを構成すれば、モーターの考えられる障害と隠れた危険を事前に察知できるだけでなく、突然の障害や作業者の身体の安全を脅かす機器の損傷を回避することができます。これは、温度や振動、電流、トルクなどモーターの稼働状態のパラメータを継続的に監視・収集し、そのデータをデータベースへ蓄えることで実現できます。パラメータの相互比較と傾向分析により、モーターの実際の稼働状態を監視することができます。先進的な予兆保全の基礎となる評価部分は対応する機器メンテナンスの計画とプロセスを開拓します。
状態監視の技術を通して予兆保全を理解するための基礎は、リアルタイムで動的なデータ収集とフィードバックが状態監視センサとその他の技術を通してモーター上で実行されることを理解することです。これは、たった1つまたは2つのシンプルな状態アラームの通知のみです。モーターの動作特性では、一般的に振動監視と温度監視の2つが効果的な監視方法とされています。
1) 振動監視: 一定の周波数範囲で振動するモーターでは、振動センサを用いてモーターの軸受や土台の振動速度/加速度のパラメータを収集することで周波数の情報を監視できます。モーターが正常に動作していれば、軸受や土台の振動周波数は通常、劇的な変化は見られません。スペクトラム解析を通して既知の障害の特性を示す周波数と比較した後、障害のレベルを判断でき、その場所を特定することができます。
2) 温度監視: モーターの軸受やステータ巻線、その他の適正な場所に搭載した温度センサで、モーターが稼働している間の温度信号を検出し、障害が起きているかを判断します。
データをより多く集めれば、モーターの健康状態をより明確に把握することができます。コストや導入の条件を考慮すれば、バルーフの新しいマルチファンクション状態監視センサ BCMシリーズは最適なソリューションを提供できます。
実際に状態監視センサ BCMシリーズは振動や温度、相対湿度、気圧の複数の物理的な値を同時に測定することができます。収集したデータを解析・処理でき、必要なデータのみをIO-Linkインタフェースを介してメインシステムで伝送できます。BCMシリーズは機械振動の標準規格であるISO 10816-3を完璧に準拠した設計が施されています。2~3,200Hzの範囲で振動周波数を監視でき、0~220mm/sの振動速度と0~16gの振動速度も測定できます。また、0~70℃の範囲で接触温度を測定できます。オールステンレスのハウジングの採用によりIP67以上の保護構造を備えています。
バルーフの状態監視センサ BCMにより、工場の重要な資産であるモーターの状態監視と予兆保全の要求を、迅速かついっそう優れたものとして達成できます。