建機・特殊車両の製造メーカーは最新の安全規制を遵守しながら、低コストで生産性の高い車両の実現を常に追求しています。この目標を達成するため、今日の装置は電子制御モジュールを用いて入力信号を処理し、最終的に装置の機能を制御する信号を出力します。しかし近年、様々な変革が起こっているにも関わらず、その昔の次代から残っている部品があります。 — メカニカルスイッチです。
このデバイスはリレー型やローラー型、ワンド型などの様々な作動部を備え、多くのタイプは屋外での使用に対応するIP67の密閉したハウジングを持ちます。しかし、このデバイスはレバーの損傷や接触による摩耗、アーク放電のおそれ、粉塵の侵入、そのほか環境による危害が問題となります。しかし、未だにこのデバイスはON/OFFの信号で位置決めする安価な方法として受け入れられています。
今日でも、メカニカルスイッチはブームの有無やターレットの位置決め、その他の様々な用途で使用されています。しかし、現在の装置にとって最適な製品なのでしょうか?
当初の設計仕様ではスイッチが直接負荷を駆動させる必要があったので、当時のリレーやダイオードを用いた論理回路を定格10A@240Vで設計しなければなりませんでした。しかし、新たに設計された装置ではスイッチから制御モジュールに送られるスイッチ信号はミリアンペアレベルです。このレガシーなスイッチに、今日の負荷に適したコンタクトプレートの材質はあるのでしょうか?このスイッチにはロジウムやプラチナ、金、銀などのレアメタルが使用され、接触抵抗を低く保ち摩耗から保護します。中国が排出規制のステージIVを目指す中、これらの金属の一部が触媒コンバータにも使用されるため、価格が急激に上昇し、スイッチのメーカーやユーザーに実質的なコスト上昇を強いることになりました。
今日の建機・特殊車両の位置フィードバック方法は、誘導型近接センサです。メカニカルスイッチに比べ、誘導型近接センサは完全密閉で非接触の検出を行えます。物理的な接触なしで磁性体と非磁性体の金属を検出し、過去の様々な現場の問題をなくし、水や汚れ、ホコリなど金属物質以外の影響を受けず動作します。これらの特徴によりセンサは農耕や建設環境などの過酷な条件にも適合します。
誘導型近接センサには様々な形状があります:
シリンダ形 - 真鍮の亜鉛メッキやステンレスの材質でネジが切られたハウジングにより、位置の調整や設置が簡単なため最もポピュラーです。
薄形 – このフラットな形状のセンサは、オペレータの存在確認をするために、シートの下に設置できます。
角形 - コンパクトなキューブ形状で長距離検出に最適です。
大径シリンダ形 - 大きなパンケーキ形状のセンサはサスペンションの動作を検出したり、長距離の検出を要求するアプリケーションに最適です。
誘導型近接センサは連結やオペレータの存在確認、タレットの停止検出に使用されるディスクリート製品だけには留まりません。ギアの凹凸を数えることで回転軸の回転速度を測るスピードセンサとしての役割も果たします。アナログ信号を出力するタイプは、金属の連結やレバーのリニアな位置決めを継続的に行なえます。セーフティ規格に準じた出力信号や耐高温、危険エリアでの使用など、この電磁誘導技術で様々なタイプの製品がラインナップされています。
今使用しているレガシーなスイッチから、誘導型近接センサへの置き換えを検討してみてはいかがでしょうか?
誘導型近接センサがどの様にこの魔法を唱えるか、以前のブログを御覧ください。
Basic Operating Principle of an Inductive Proximity Sensor (誘導型近接センサの基本的な動作原理)