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ISO 10816-3とは:機器の状態監視の種類に沿った機械的振動の標準規格

Written by Balluff | Jul 20, 2020 8:36:04 AM

製造現場では、モータや遠心ポンプなどの一般的な機器は電源や伝送機器と共にとても重要であると考えられています。その中でもモーターは、電気的なエネルギーをメカ的なエネルギーを変換する産業界の動力源です。遠心ポンプは流体を伝送したり圧力を加えたりする機器です。主に水やオイル、酸・アルカリ性媒体、乳状液の伝送に使用されます。一般的にエスポエマルジョン剤や液体金属などの媒体は、化学や製薬、食品、飲料などの分野で幅広く使用されています。

そのため、このような機器が突然故障し停止してしまったら、生産工程の損失に直結したり、危険な事故につながったりと悲惨な状態になるおそれがあります。よって、工場の電力機器を管理する部署は、必然的に機器のメンテナンスを通じで健全な動作を見極める、重要な役割を担うことになります。

 

予兆保全と状態監視

従来、モーターやポンプなどの機器の故障修理は、一般的には日常点検や定期メンテナンスで行われたため、故障が発生してから修理が行われることがほとんどでした。残念ながら、日常点検では機器の故障の回避や削減にはつながらず、定期メンテナンスでは見逃したり不要であったりする場合があります。さらに、日常点検は作業者の信頼感や経験に大きく依存します。担当者が変わるたびに、機器の運用と管理のプレッシャーが増し、現場での豊富な経験を新人に伝えることは簡単なことではありません。

装置製造や自動制御、信頼性高いエンジニアリング、インテリジェントな管理の発達によって、予兆保全のコンセプトは成り立っています。予兆保全はセンサよる検出と解析技術がベースです。モーターの稼働中に現れる物理的または科学的なパラメータ、エネルギーや熱、摩耗、振動などを定期的また継続的な監視し、機械学習アルゴリズムモデルの基礎とします。これが機器の状態を分析・解析する方法であり、次の障害やメンテナンスを行う時期を予測することができます。

 

すべてが揃う標準規格 ISO 10816-3

機械的振動の標準規格は、現在、国際標準化機構がISO 10816 (Mechanical Vibration—Evaluation of Machine Vibration by Measurement on Non-Rotating Parts: 機械振動 - 非回転部分における機械振動の測定)で定められており、以前のISO 2372から更新されました。主に振動速度の基準を変更したものです。詳細な規定では振動変化を利用した機器の状態を評価する基準が追加されました。これは2001年に中国国家規格 GB-T 6075として発行されました。

ISO 10816-3は、この標準規格の第3部、すなわち「15 kW超の公称動力120 r/min~1,500 r/minの公称速度を持つ工業用機械」です。このセクションでは、該当する機械の分類、参照規格、測定プロセスと動作条件、機械クラス、評価要件を一つずつ説明しています。

特に測定プロセスと適用条件については、測定装置、測定場所、継続的と非継続亭な監視、動作条件などがそれぞれ記載されています。例えば、振動センサのような監視機器の場合、応答周波数範囲が10Hz~1KHzの広範囲な振動測定能力が明確に求められます。評価規定によっては、変位や速度、あるいはその両方の測定も求められます。回転速度が600r/minの装置では、測定器の周波数特性の下限が2Hz以下である必要があります。同時に、温度や音場、センサケーブルの長さ、磁界、供給電力の変化、センサの方向に影響を受けない測定システムであることも考慮しなければなりません。

 

 

この点において、バルーフが発表したマルチファンクション状態監視センサ BCMシリーズは、国際標準規格 ISO 10816-3へ完全に準拠しているだけでなく、それ以上の性能を有しています。例えば、振動周波数は2~3,200Hzの範囲で監視でき、振動速度が 0~220mm/s や加速度 0~16g の装置に対応します。また、完全なステンレスハウジングにより、IP67レベル以上の保護等級を発揮します。

 

標準規格 ISO 10816-3をベースにしたバルーフのセンサシステム BCMを通して、モーターや遠心ポンプ、その他の重要な工場の資産を簡単に予兆保全できます。