金属加工において、工具やワーク保持の正確性と確実性は加工品質に直接影響します。そのため、マシニングセンタの主軸に搭載された工具の保持を検知するセンサは重要な役割を担います。
主軸は切削時に大きな振動が発生し、クーラントや切り子が飛び交う非常に過酷な環境にさらされます。そのため、このような過酷な環境に耐え、非接触の動作原理により確実に動作する誘導型近接センサが多く使われています。
しかし、装置の小型化や複雑な加工や多品種生産による多様な工具検出の対応などで、次のような課題が出てきました。
■ 隣接設置に制限がある近接センサでは、小型の主軸に搭載することが困難
■ 段取り替え時の近接センサの位置調整で装置のダウンタイムが長い
バルーフのクランプ位置センサ BIPは、水平方向にある金属の位置を検知するセンサです。このセンサ単体を用いて主軸のドローバーの位置を継続的に監視することで、工具のクランプ/リリース/空クランプを判断することができます。主軸の動力として使用する油圧も同時に監視すれば、より確実で安全性の高い工具クランプシステムを構築することができます。
このセンサには近接センサの様に磁界を発生させる8つのコイルが内蔵しており、高速で起電とスキャンを行うため、隣接したコイルの磁界干渉が発生しません。金属により減衰した磁界をそれぞれのコイルで検出し、独自のアルゴリズムにより位置情報として算出されます。
このセンサをインテリジェントなIO-Linkで使用すれば、さらなるメリットがあります。 (内容は製品タイプにより異なります。)
■ 各クランプ状態をビットで監視できるスイッチングポイントの設定
■ 主軸のメンテナンスの指標になるクランプ回数のカウント機能
■ 起動回数や稼働時間、内部温度などのセンサ自身の自己診断情報
これらの情報により、工作機械の効率的な制御や予兆保全に貢献します。
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