昨今、工場内や製造ラインの様々な要素を継続的に監視する要望が増えています。この監視により、自動化/省人化や予兆保全、プロセスの柔軟性向上が見込まれ、製造プロセス全体の効率性向上やコスト改善が期待されているからです。
その中でも、ワークや様々な機器の位置監視は最も求められる要望の1つです。ネットワーク化とデジタル化の普及により信頼ある位置情報の取得が可能となった今、工場の様々な課題を解決する重要なファクターとして、位置情報を生成する様々なセンサが注目されています。
今回は、それぞれの課題を解決したソリューションとそれに使用されたセンサをご紹介します。
末端の可動部の位置監視でスムーズな装置制御と予兆保全
空圧や油圧、電動に関わらず、実際の可動部の動作を継続的に監視することで、装置をより効率的に動作させることができます。特にエアシリンダや油圧シリンダ用のリニアスケールを用いれば、始点と終点だけでなくその間の位置も常に監視できます。これにより、正常な動作を見越した次の動作を行うことができ、スムーズな動作と時間の節約が可能になります。
エアシリンダのピストン位置の継続的な監視による接着剤のスムーズな塗布
効率性と安全性を高めるフォーマット変更の自動化
多品種生産の課題は段取り替えによるダウンタイムの削減と正確さです。フォーマット変更時の手動によるガイドの位置合わせは、多くの場合、ハンドルを回し、メモリを目視で確認して行われます。アクチュエータとリニアスケールを組み合わせたガイドの自動化により、正確で迅速な位置合わせが可能です。さらに、レシピを制御側に送るだけであらゆるフォーマットの変更に柔軟に対応することができます。
ガイド位置をフィードバックする自動のフォーマット変更システム
シンプルで確実なサイズによる品種判別
見た目で分かる形状やサイズによるワークの判別は人間からすると非常にシンプルな方法です。しかし、FAの世界でこれを実現しようとすると現場での調整が複雑なカメラが思い浮かぶかもしれません。実はそれ以外にも方法はあります。CCD測長センサは物体の影を投影して判別します。投光器と受光器で構成されるこのセンサは、通常のライトカーテンや透過型の光電センサを設置する要領で扱えます。ライトの調整や外来光への対策など不要で、シンプルに物体を判別することができます。
高さ計測によるキャップ装着の全数検査
このように位置情報を取得することで、様々な課題の解決や効率性の向上につながります。ネットワーク化とデジタル化の普及により、製造現場でのアナログデータ取得が信頼できるようになった今、積極てきに取り組んでみてはいかがでしょうか。
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影の投影でサイズを検出するCCD測長センサ BLAの詳細はこちら