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バルーフ スマートカメラ ー インテリジェントなデータ管理で安定した生産プロセスに貢献

Written by Balluff | Jul 23, 2020 9:29:15 AM

Industry 4.0とは、短い段取り替え時間と分散制御を備えたスマートで柔軟性の高い工場を目指すことです。これには、高度に自動化されたプロセス内で可能な限り包括的なデータをリアルタイムで生成し、可能な限り多様な現場の状態を提供することで達成されます。プロセスデータで提供されるシーケンス制御・監視用のステータス情報や、オブジェクトベースの形でトレーサビリティや品質検証で使用される製品データの情報は、プロセス最適化の早期対策を講じるための重要な判断材料となります。

情報は、システム内にある多数のセンサから様々な方法で自動的または要求に応じて提供されます。簡単な例としては、スイッチングセンサがステータス信号を提供しながら、より複雑なコンポーネントである新しいバルーフのスマートカメラが、さまざまな高度な検査プログラムを実行し、様々な情報を提供します。

 

デジタル化の要求の増加により、PROFIBUSDeviceNetのような従来のフィールドバスからPROFINETEthernet/IPのようなEthernetベースのネットワークへの移行がトレンドとなっています。スマートカメラはこのトレンドに沿った形で設計されており、インテリジェントなデータ管理機能を備えています。検査結果はLED積層信号灯 SmartLight のようなHMIに直接表示したり、本体に搭載された個別のスイッチング信号やPROFINETTCP/IPのようなネットワーク介して出力したりすることで柔軟な見える化が可能です。

 

スマートカメラには、その他にもIndustry 4.0の新たな課題に適応する機能を備えています。それは、TCP/IPPROFINETネットワークを介した完全な制御です。例えばユーザーは、検査プログラムの選択やタイムスタンプ・検査シーケンス番号などのプロセスパラメータ設定、診断情報の呼び出しを中央のPCPLCから遠隔で行うことができます。

 

さらに、基準値や公称値、その他のツールに関するパラメータなど、検査プログラムで必要な検査固有のデータは、様々な形式でスマートカメラに送信することができます。自由に選択できる検査結果は、検査サイクルごとに1つのパッケージとなってコントローラへ送られます。必要なコマンドは検査の開始、停止、トリガだけです。検査の実行中、トリガ信号の待機、トリガ信号のオーバーラン、システムエラー、フィールドバスとの通信状態などのステータスは周期的に提供されます。

 

また、記録画像を含めた完全な検査レポートをXML形式でFTPサーバー上に保存するというユニークな機能も備えています。オペレータは検査結果の中から保存したい関連するレポートや画像を定義することができます。これにより全ての結果を含む検査の追跡だけでなく、一定基準で行われた品質検査の結果を受け取ることができます。

 

さらに、搭載されたIO-Linkマスタポートから、IO-Linkデバイスの様々なシステムデータを使用してスマートカメラで直接処理したり、コントローラに送信したりすることができます。

 

システムのオペレータにとって、プロセスネットワーク(PROFINET) は重要です。これが障害にあったりやボトルネックになったりすると、生産プロセス全体に直接影響を与えてしまいます。これは、特に大量のデバイスと膨大なデータ量の大規模なネットワークになった場合に問題の原因となる可能性が高くなります。

 

例えば、このことはセンサを使用した技術的なプロセスから得られるアナログやデジタル値のプロセスデータに関連します。ロボットアプリケーションでのそれぞれの位置や、物体のタイプの認識、OK信号だけの場合もあります。

 

スマートカメラを使用すると、ユーザーは柔軟にデータを取り扱うことができます。どのデータをどの形式でスマートカメラに送信するか、または各検査後にコントローラに送信するかは、ユーザー自身が定めることができます。また、どのインタフェースを通してデータを送信するかを決めることも可能です。

 

ここでシステム設計者は、どれくらいの量のデータやパラメータをスマートカメラとやり取りするかの重要な決定をする役割を担います。例えば、識別のタスクの結果パッケージを文字列形式の15文字のバーコード情報と実データの2つの位置情報(x, y)だけを定義することができます。その他の不要なデータは一切送信されません。

 

また、生成されるデータ量も考慮しなければいけません。通常のプロセスデータはごくわずかですが、検査サイクルごとに生成される品質検証用の画像データやレポートデータは一般的にMB(メガバイト)を超えます。

 

しかしバルーフのスマートカメラはこのための十分な対策を備えています。通常、他のメーカーでは搭載するフィールドバスインターフェースは1つのみである場合が多いです。しかし、バルーフのスマートカメラはギガビット・イーサネットと100MビットPROFINETインタフェースの2つを備えています。これは非常に重要な利点です。デバイス設定でマウスをクリックするだけで、PROFINETネットワークに負荷をかけることなく、大容量のレポートや画像データが自動的に高速なギガビット・イーサネットを経由してストレージサーバに転送できます。もちろん、PROFINETインタフェースを介して通常通りデータを送信することも可能です。

 

 

Rainer Schönhaar
Balluff GmbH
Product Manager for Image Processing

 

画像:

 

Industry 4.0では、プロセス最適化の早期対策を講じるには、プロセスデータと製品データが意思決定の客観的な根拠となると言われている

新しいバルーフのスマートカメラは、多様で高度な検査プログラムを実行することが可能

 

 

スマートカメラの採用により、ユーザーは非常に柔軟性の高いツールを手に入れることが可能